タイの伝統衣装はチュット・タイ(chut thai、ชุดไทย)と呼ばれ、王室の歴史や地方ごとの織物の伝統、そして今も旅行者が目にする習慣を受け継いでいます。結婚式や寺院の儀式、祭りの場で、また曜日ごとに人々が選ぶ色の中に、その姿を見ることができます。
代表的な伝統衣装
タイの伝統衣装の多くは、体に合わせて裁断・縫製するのではなく、一枚の布を巻いたり、折ったり、たくし込んだりして着るシンプルなものです。
女性の衣装
| 衣装 | タイ語 | どんなものか |
|---|---|---|
| パーシン(Pha sin) | ผ้าซิ่น | 筒状の巻きスカート。丈はたいてい足首までで、裾に織り帯が付いていることが多い |
| サバイ(Sabai) | สไบ | 胸に巻き、片方の肩に掛ける細長い布 |
| チョンクラベーン(Chong kraben) | โจงกระเบน | 巻き付けてゆったりしたズボン状の形にする布。女性も男性も着る |
男性の衣装
| 衣装 | タイ語 | どんなものか |
|---|---|---|
| チョンクラベーン(Chong kraben) | โจงกระเบน | 腰に巻いた長い布を脚の間に通し、背中側でたくし込んだもの |
| ラーチャパテン(Raj pattern)の上着 | เสื้อราชปะแตน | 五つボタンで立ち襟の白い上着。チョンクラベーンと合わせて着る |
パーカオマー:何にでも使える布
パーカオマー(pha khao ma、ผ้าขาวม้า)はチェック柄の綿布で、タイの男性が昔から腰帯や頭巾、タオル、水浴び用の腰巻きとして使ってきました。タイはこの布をユネスコの無形文化遺産リストに推薦しており、決定はまだ出ていません。
タイの民族衣装:正装のスタイル
女性の八つのスタイル
女性用のタイの正装であるチュット・タイ・プララーチャニヨム(chut thai phra ratcha niyom)には、シリキット王妃のもとで考案された八つのスタイルがあり、ルアントン(Ruean Ton)、チットラダー(Chitralada)、ドゥシット(Dusit)、チャックリー(Chakri)、シワライ(Siwalai)などが含まれます。チャックリーは夜の式典向けの女性のスタイルです。丈の長いパーシンに、片方の肩に掛けるサバイを合わせるため、もう片方の肩は出ることになります。
男性の正装
男性の正装はラーチャパテンです。五つボタンで立ち襟の白い上着を、チョンクラベーンと合わせて着ます。古いガイドの中には男性の衣装を「タイ・チャックリー」と呼ぶものがありますが、チャックリーは女性のスタイルです。
チュット・タイとユネスコ
タイはユネスコに対し、タイの民族衣装にまつわる知識・技術・慣習である「Chud Thai」を無形文化遺産リストに加えるよう申請しています。推薦は2026年の審査サイクルに入っており、まだ決定していません。関連する要素のひとつはすでに登録されています。タイ南部や近隣諸国で着られる、体に沿った形でしばしば刺繍が施されたブラウス、クバヤ(kebaya)です。2024年に、他の国々との共同推薦として登録されました。
タイの人が伝統衣装を着るとき
普段はほとんどのタイ人が現代的な服を着ています。伝統衣装が登場するのは特別な機会です。
| 機会 | 着るもの |
|---|---|
| 結婚式 | タイシルク。正装の民族衣装のスタイルを選ぶこともある |
| 寺院の儀式やタンブン(徳を積む行い) | 控えめな服装。年配の女性はパーシンとサバイを着ることもある |
| ソンクラーン(4月13日〜15日) | 色鮮やかなプリントシャツ。パレードでは伝統衣装も |
| ロイクラトン(11月下旬) | 多くの女性や女の子がチュット・タイを着てクラトンを流す |
2026年のロイクラトンは11月24日ごろです。情報源によって一日ずれがあるため、タイ国政府観光庁(TAT)で確認してください。
色:曜日の色と2026年の服喪期間
曜日ごとの色
タイの習慣では曜日ごとに色が決まっており、今でもその日の色や、自分が生まれた曜日の色の服を着る人がいます。
| 曜日 | 色 | タイ語 |
|---|---|---|
| 日曜日 | 赤 | สีแดง |
| 月曜日 | 黄 | สีเหลือง |
| 火曜日 | ピンク | สีชมพู |
| 水曜日 | 緑 | สีเขียว |
| 木曜日 | オレンジ | สีส้ม |
| 金曜日 | 青 | สีฟ้า |
| 土曜日 | 紫 | สีม่วง |
シリキット王太后の服喪
シリキット王太后は2025年10月24日、93歳で逝去されました。公務員は2025年10月25日から2026年10月24日までの1年間、喪服の黒を着用するため、それまでは公式行事で黒い服の人を多く見かけるでしょう。一般の人々には2026年1月23日までの90日間、落ち着いた色の服を着るよう要請がありましたが、この要請はすでに終了しています。それでも2026年10月24日までは、王宮周辺を訪れる際には暗めで地味な服装が礼にかなった選択です。
王室の火葬の儀式は、2026年12月15日から19日までバンコクで行われます。火葬そのものは2026年12月16日、王宮の隣にあるサナームルアン(Sanam Luang)の王室火葬場で執り行われます。この週は周辺で暗めで地味な服装を選ぶのが礼儀です。混雑や交通規制が予想されるため、旧市街の観光は別の日に計画しましょう。
地方ごとのスタイルと織物
地方ごとに独自の織物の伝統があり、それが最もはっきり表れるのがパーシンです。
- 北部(ラーンナー): パーシンの裾にはティンチョック(tin chok)が付いていることが多く、これは別に織った華やかな文様の帯をスカートの下端に縫い付けたものです。
- 東北部(イサーン): マットミー(mudmee、มัดหมี่)シルクの本場です。織る前に糸を括って染めるため、文様の輪郭がやわらかく、わずかににじんだ仕上がりになります。イサーンの織り手は、幾何学文様が浮き出た布パーキット(pha khit)も作ります。
- 南部: バティックやクバヤのブラウスに、マレー世界とのつながりが表れています。
- 中部: 宮廷の伝統が正装用のシルクのスタイルを形づくりました。浮き出た文様の錦織で、金糸や銀糸を使うこともあるヨックドーク(yok dok)もそのひとつです。
タイシルク
手織りのタイシルクは、表面にわずかなむらがあり、光の当たり方で色が変わるやわらかな光沢を持っています。ぎらぎらと光りすぎていて、極端に安い布は化学繊維であることが少なくありません。
- 織りを確かめる: 小さな不揃いは、手織りであることを示す良い目安です。
- 燃焼テスト: 本物のシルクはゆっくり燃え、髪の毛が焦げたようなにおいがして、やわらかい灰が残ります。化学繊維は溶けて硬い玉になります。ほつれた糸で試す前に、必ずお店の人に確認してください。
- お手入れ: 高価なものはドライクリーニングに出すか、冷水と中性洗剤で手洗いし、絞らずに日陰で平干しします。
バンコクで伝統衣装とタイシルクを見られる場所
シリキット王妃染織博物館(Queen Sirikit Museum of Textiles)。 王室の衣装や民族衣装を最もわかりやすく紹介しているのが、王宮内にあるこの博物館です。開館は毎日09:00〜16:30(最終入場15:30)。王宮の入場券(外国人は約500バーツ)で入館できます。博物館のみの入場券は約150バーツで、65歳を超える方は80バーツ、学生と12〜18歳は50バーツ、12歳未満の子どもは無料です。王宮の入場券は08:30〜15:30にしか販売されないので早めに到着し、博物館の見学には1時間ほどみておきましょう。
ジム・トンプソンの家博物館(Jim Thompson House Museum)。 ラマ1世通り(Rama 1 Road)ソイ・カセームサン2(Soi Kasemsan 2)6番地、BTSナショナルスタジアム駅(National Stadium)1番出口の近くにあり、毎日10:00〜17:00に開館しています。館内の見学はすべてガイド付きです。大人は約250バーツ、10〜21歳と障がいのある方は150バーツ、10歳未満の子どもは無料です。靴は脱いで入り、20cmを超えるかばんはロッカーに預けます。館内ではフラッシュ撮影、自撮り、動画撮影はできません。
料金と営業時間は2026年9月に確認したものです。訪問前に現地で確認してください。
旅行者としてタイの衣装を着る
アユタヤなどの史跡では、記念撮影用にチュット・タイを借りるのが人気です。料金はまちまちなので、着替える前に料金と返却時間を取り決めておきましょう。
タイの人々は伝統衣装を自分たちの文化遺産の一部と考えており、旅行者が敬意を持って着ている姿を見るとたいてい喜んでくれます。肩が出るスタイルは写真撮影だけにとどめ、寺院の中には着ていかないでください。寺院では肩と膝を覆う必要があります。
パーシンの着方
- 筒状の布の中に入り、腰まで引き上げます。
- 余った幅を片側に寄せ、腰に沿って平らに折り返してひだにします。
- 上端を下に巻き込んでひだを留め、ベルトを締めます。裾が足首に届くくらいが目安です。
買い物に役立つタイ語のフレーズ
丁寧な言い方にするには、文末にクラップ(khrap、男性)またはカー(kha、女性)を付けます。
- パー・マイ・タイ(Pha mai thai、ผ้าไหมไทย):タイシルク
- コー・ローン・ダイ・マイ?(Kho long dai mai?、ขอลองได้ไหม):試着してもいいですか?
- ミー・シー・ウーン・マイ?(Mi si uen mai?、มีสีอื่นไหม):ほかの色はありますか?
- タオ・ライ?(Tao rai?、เท่าไหร่):いくらですか?
専用ドライバーで訪れる
Smile Taxi Serviceの料金は、1台あたり(1人あたりではない)の片道定額料金です。高速道路料金も含まれています。
- スワンナプーム国際空港からバンコク中心部: セダン600バーツ、SUV 800バーツ、バン1,100バーツ。空港での無料待機60分(実際の着陸時刻から)付きです。スワンナプーム国際空港からバンコクまでセダンを予約する
- ドライバー付きでバンコクを一日観光(最大10時間): 王宮とジム・トンプソンの家を一日で回れて、セダン2,700バーツ、SUV 3,000バーツ、バン3,700バーツ、VIPバン4,000バーツです。ツアーと日帰り旅行をご覧ください。
- バンコクからアユタヤ: セダン1,500バーツ、SUV 1,700バーツ、バン2,000バーツ。バンコクからアユタヤまでセダンを予約するか、バンコクからアユタヤへの行き方をお読みください。アユタヤからバンコクへの帰りは、セダン1,200バーツ、SUV 1,500バーツ、バン2,000バーツです。
お支払いは、到着時にドライバーへ現金(タイバーツ)でお願いします。カードでしか支払えない場合は、スタッフにメッセージを送っていただければPayPalの支払いリンク(手数料5%)をお送りします。キャンセルはお迎えの24時間前まで無料です。それ以降のキャンセル・変更は料金の25%(24時間前を過ぎてから)、35%(12時間前を過ぎてから)、50%(2時間前を過ぎてから)、ノーショーは100%で、ドライバーへの現金払いの場合も適用されます(詳細)。すべてのルートは料金表でご確認いただけます。
よくある質問
チュット・タイとは何ですか?
タイの民族衣装です。女性の正装にはシリキット王妃のもとで考案された八つのスタイルがあり、ユネスコは2026年の審査サイクルで「Chud Thai」を無形文化遺産リストに加えるかどうかを審議します。
バンコクでタイの伝統衣装を見られる場所はどこですか?
王宮内のシリキット王妃染織博物館です。王宮の入場券(約500バーツ)で入館でき、博物館のみなら約150バーツです。
外国人がタイの衣装を着るのは失礼になりませんか?
敬意を持って着れば問題ありません。肩が出るスタイルは写真撮影だけにとどめ、寺院の中では肩と膝を覆いましょう。
2026年のバンコクでは明るい色の服を避けるべきですか?
日常生活では明るい色の服でも問題ありません。2026年10月24日までの王宮周辺と、2026年12月15日〜19日の王室の火葬の儀式の期間中は、暗めで地味な服装が礼にかなった選択です。
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