タイの人々は旅行者に温かく辛抱強く接してくれ、ちょっとした失敗ならたいてい大目に見てもらえます。ただし、ほかより特に大切な習慣がいくつかあります。王室への敬意、寺院や僧侶のそばでのふるまい、頭と足についてのタイ独特の考え方、そして人前で冷静さを保つことです。
これらの多くは法律ではなく習慣です。重要な例外は王室で、この点についてはタイの法律が旅行者にも適用されます。
2026年後半の注意点:王室の服喪
シリキット王太后(Queen Sirikit)が2025年10月24日、93歳で逝去されました。
- 公式の服喪期間: 公務員は2025年10月25日から2026年10月24日まで黒い服を着用します。
- 娯楽・イベント: 禁止令は出ていませんが、イベントの主催者には華やかな演出を控えるよう要請が出ているため、いつもより静かなイベントもあるかもしれません。
- 王室の火葬儀式: 儀式は2026年12月15日から19日までバンコクで行われます。12月16日は07:00に葬列が出発し、16:30に王宮の隣にあるサナームルアン(Sanam Luang)の王室火葬場で火葬が行われます。12月17日にはご遺骨がエメラルド寺院(ワット・プラケオ/Wat Phra Kaew)に移されます。
儀式はタイのテレビで全編中継されます。その週に王宮や周辺道路が観光客に閉鎖されるかどうかは、公表されている報道では明らかになっていません。サナームルアン周辺では大変な混雑と交通規制が予想されるため、バンコク旧市街(ラタナコーシン/Rattanakosin)の観光は別の日に計画しましょう。王宮の近くや火葬儀式の週には、黒や落ち着いた色の地味な服装が敬意を示す選択です。
メンツを守り、「冷静な心」を保つ
「メンツ」とは、人前でのその人の尊厳のことです。他人の前で誰かを批判するとその人のメンツをつぶすことになり、タイでは相手をひどく傷つける行為です。人前で怒りをあらわにすると、自分自身のメンツを失います。
- ジャイ・イェン(冷静な心): 特に物事がうまくいかないときこそ、落ち着いていましょう。
- クレンジャイ: 相手の気持ちを思いやること。タイの人はがっかりさせないために「はい」と答えることがあるため、はっきりした答えが必要なときは、「はい」「いいえ」で答えられない聞き方をしましょう。
- マイペンライ(気にしないで): ちょっとした問題なら大丈夫、と伝えるときのおなじみの言葉です。
| 場面 | すべきこと | してはいけないこと |
|---|---|---|
| 意見が食い違ったとき | 落ち着いて笑顔でいる | 大声で言い争う |
| サービスに問題があったとき | 担当者に静かに話す | 人前で苦情を言う |
| 相手がミスをしたとき | 冷静に受け入れる、または静かに説明する | 人前で謝罪を要求する |
王室への敬意
タイの王室は深く敬われており、ここでは文化的な失敗が法的な問題になりかねません。刑法第112条(不敬罪)は、国王、王妃、王位継承者、摂政を中傷、侮辱、脅迫した場合、一件につき3年から15年の禁錮刑を定めています。告発は誰でもでき、警察はそのすべてを捜査しなければならず、外国人に適用された例もあります。
- 対面でもオンラインでも、王室について冗談を言ったり批判したりしないでください。
- 国王や王室の写真・肖像は敬意をもって扱いましょう。足を向けることは絶対に避けてください。
国歌と国王賛歌
- 国歌(プレーン・チャート/Phleng Chat) は、毎日08:00と18:00に公園や駅などの公共の場所で流れます。流れている間、人々は立ち止まって静止します。立たなくても罰金はもうありませんが、今もほとんどの人が立ち止まるので、旅行者もそうしましょう。
- 国王賛歌(サンスーン・プラバーラミー/Sansoen Phra Barami) は別の曲で、映画館では毎回の上映前に、また演劇、コンサート、ほとんどのライブショーの前に流れます。観客は起立します。
寺院と僧侶
タイには約40,000の寺院があります。観光名所であるだけでなく、今も人々が祈りをささげる現役の礼拝の場です。
服装とふるまい
- 肩とひざを隠しましょう。長ズボンかひざ下丈のスカートに、袖のあるシャツが基本です。大きな寺院では、サロン(腰巻き)を無料または有料で借りられることがよくあります。
- 寺院の建物に入る前に、靴と帽子を脱ぎます。
- 小声で話し、スマートフォンはマナーモードにします。
- 座るときは足を後ろか横にたたみ、仏像や僧侶に足先を向けないようにします。
- 像によじ登ったり仏像に触れたりせず、撮影禁止の表示があれば従いましょう。
バンコクの大寺院では、外国人に拝観料がかかります。2026年9月に確認した時点で、王宮とワット・プラケオは約500バーツ(チケット販売は15:30まで)、ワット・ポー(Wat Pho)は約300バーツ、ワット・アルン(Wat Arun)は約200バーツでした。現地で確認し、小額紙幣の現金を用意しておきましょう。
僧侶
- 女性は僧侶に触れたり、物を直接手渡したりしてはいけません。僧侶の手が届く場所に物を置くか、男性に渡してもらいましょう。
- 僧侶より高い位置に座らず、僧侶に足を向けることは絶対に避けてください。
- 朝の托鉢では静かにし、敬意をもって距離を保ち、写真を撮る前には許可を求めましょう。
頭、足、そしてワイ
頭は体の中で最も尊い部分とされ、足は最も低い部分とされています。
| 行為 | 敬意ある行い | 失礼な行い |
|---|---|---|
| 頭に触れる | 誰の頭にも触れない | 人の頭をなでる |
| 指し示す | 手のひら全体を使う | 足や人差し指で指す |
| 床に座っている人のそばを通る | 回り込んで通る | 足をまたぐ |
テーブルやいすに足を乗せないようにし、タイの家に入るときは靴を脱ぎましょう。
ワイ はタイのあいさつで、手のひらを合わせ、軽くおじぎをします。難しく考える必要はありません。ワイをされたら軽くおじぎをしながらワイを返し、僧侶や年配の人には手を高めの位置に上げます。お店やホテルのスタッフからのワイには、笑顔と会釈で応えます。
日常のエチケット
タイの社会では年齢や立場がとても重んじられます。年長者を先にもてなし、丁寧な言葉で話しかけます。笑顔を忘れず、辛抱強く、列に並び、ビーチ以外では控えめな服装をし、人前でのスキンシップは最小限にしましょう。
食事では料理を皆で取り分け、たいていは右手にスプーン、左手にフォークを持って食べます。支払いはホストや最年長の人がすることが多いものです。支払いを申し出るのはよいことですが、相手が譲らないなら言い争わないようにしましょう。
仏教の主要な祝日5日(マカブーチャ/Makha Bucha、ヴィサカブーチャ/Visakha Bucha、アーサーンハブーチャ/Asanha Bucha、カオパンサー/Khao Phansa、オークパンサー/Ok Phansa)には、国際空港の免税店を除いて酒類を販売できません。次の祝日は、雨安居(うあんご)明けのオークパンサーで、2026年10月26日です。
道路でも敬意を:タクシーとドライバー
渋滞の中でも落ち着いて、問題があればドライバーに静かに伝えましょう。トラブルの多くは料金があいまいなことから始まるので、乗車前に料金を決めておきましょう。
Smile Taxi Serviceでは、料金は出発前に確定しています。一台あたり(一人あたりではない)の片道定額料金、高速道路料金込みです。スワンナプーム国際空港(Suvarnabhumi)からバンコク市内の住所までは、セダン600バーツ、SUV 800バーツ、バン1,100バーツです。チャオプラヤー川の西側(トンブリー側)での乗車・降車は100〜200バーツの追加料金がかかります。スワンナプーム国際空港からバンコクまでのセダンを予約するか、全ルートと定額料金をご覧ください。
- 支払い: 到着時にドライバーへ現金(タイバーツ)で支払い。カードでしか支払えない場合は、スタッフにメッセージを送ってPayPalの支払いリンクをお受け取りください(手数料5%が加算されます)。
- 言語: すべてのドライバーが英語を話せるわけではありません。予約時に英語を話すドライバーをリクエストできます(空き状況による)。
- キャンセル: お迎えの24時間前まで無料キャンセル。それ以降のキャンセル・変更は料金の25%(24時間前を過ぎてから)、35%(12時間前を過ぎてから)、50%(2時間前を過ぎてから)、ノーショーは100%で、ドライバーへの現金払いの場合も適用されます(詳細)。
一日で複数の寺院を巡るなら、専用ドライバー付きのバンコク一日ツアー(最長10時間)が、セダン2,700バーツ、SUV 3,000バーツ、バン3,700バーツ、VIPバン4,000バーツです。ツアーと日帰り旅行をご覧ください。
避けたい、よくある文化的な失敗
- 王室を批判したり、冗談の種にしたりする。
- 人の頭に触れる。
- 人や僧侶、仏像に足を向ける。
- 寺院で失礼な服装やふるまいをする。
- 人前でかっとなる。
- 女性が僧侶に触れる。
- 国歌や国王賛歌が流れているときに立たない。
役に立つタイ語のフレーズ
丁寧に話すとき、男性は文末に「クラップ(khrap)」、女性は「カー(kha)」を付けます。タイ語には5つの声調がありますが、学習中の外国人の言葉なら、タイの人は文脈から理解してくれますし、話そうとする努力を喜んでくれます。
| 日本語 | タイ語 | 発音 |
|---|---|---|
| こんにちは | สวัสดีครับ / ค่ะ | サワッディー・クラップ / カー |
| ありがとう | ขอบคุณครับ / ค่ะ | コープクン・クラップ / カー |
| すみません、ごめんなさい | ขอโทษครับ / ค่ะ | コートート・クラップ / カー |
| 気にしないで | ไม่เป็นไร | マイペンライ |
出発前にWi-Fi環境でGoogle翻訳アプリのタイ語データをダウンロードしておけば、モバイルデータ通信がなくても使えます。
トラブルに遭ったら
到着前に、1155(ツーリストポリス、英語対応スタッフあり)と1669(救急医療)を携帯電話に登録しておきましょう。警察の番号は191です。お店やホテル、ドライバーとトラブルになったときは、人前で言い争わずに丁寧な態度を保ち、1155に電話して英語で助けを求めましょう。
よくある質問
国歌が流れたら立つべきですか? はい。映画やショーの前に流れる国王賛歌では起立し、公共の場所で08:00と18:00に流れる国歌では立ち止まって静止しましょう。
タイ国王を批判することは違法ですか? はい。第112条では一件につき3年から15年の禁錮刑が科され、外国人に適用された例もあります。
タイは今も服喪期間中ですか? シリキット王太后の公式の服喪期間は2026年10月24日までです。王室の火葬儀式は2026年12月15日から19日までバンコクで行われます。
ホテルやお店のスタッフにワイを返す必要はありますか? いいえ。笑顔と会釈で十分です。ワイは年配の人や僧侶に対してとっておきましょう。